長引くコロナ禍によっておうち時間が増え、趣味とじっくり向き合う時間が増えたり、気軽に観られるYouTubeや、動画配信サービスで新たに興味を持つジャンルができたりした方も多いのではないでしょうか。
その結果、「推し活」と呼ばれる、主にアイドルやアニメのキャラクターなどの”推し”を応援する活動が広がっています。2021年には流行語大賞にノミネートされた「推し活」と、Twitterで展開される事例をご紹介します。
推し活とは?
「推し活」は、自分にとってのイチオシの人やモノ、キャラクター(=推し)を応援する活動のことを指します。ちなみに「推し活」とほぼ同義の意味で「オタ活(ヲタ活)」とも呼ばれます。
「推し」には、元々「他の人に勧めること。また、人に勧めたいほど気に入っている人やモノ」という意味があります。「推し」が指す対象は、アイドルやアーティスト、俳優はもちろん、アニメ・ゲームなどの2次元キャラクターをイメージすることが多いと思われますが、近年ではYouTuberやVtuberなどの配信者、また人以外にも鉄道や建築物なども含まれ、そのジャンルは多岐にわたります。Z世代の75%は、何かしらの推し活をしているいう調査結果もあります。
11月4日は「いい推しの日」
11月4日は「いい推しの日」は、株式会社ゴシンボクが正式制定した記念日で、「1104」で「いい(11)推し(04)」と読む語呂合わせから。2019年(平成31年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。
「いい推しの日」は、推しへの愛を語ったり、情報を発信したりする動きがSNS上で活発で、毎年Twitterでトレンド入りを果たしており、企業アカウントで活用されることもあり、PRや販促にも繋がっています。
推し活の具体例
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.』が、around20(15~24歳)を対象に行なった「コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査」のデータによると、推し活には具体的に下記のような行動があります。
「SNSで情報収集を行う(73.2%)」が最も多く、次いで「推しの動画を見る(72.9%)」時間がある時にスマホなどで気軽にチェックできる行動が多いことが分かります。
また「推し活をSNSで投稿していますか?」という問いには、6割以上が投稿しており、週に4~5日以上投稿する人が10%以上となりました。
どんな投稿をしているかについては、「推しのアクリルスタンドとお出かけして、カフェで写真を撮ったり、手作りグッズを撮ったりした写真をSNSに投稿している。」などの意見がありました。
推し活を投稿する目的にはついては、「推しを応援したいから(66.9%)」、「ヲタ活の記録を残したいから(53.9%)」、「推しの魅力を多くの人に伝えたいから(36.5%)」という結果となりました。
Twitterで展開される「推し活」事例紹介
ステマシート(布教シート/布教画像)
ステマシートとは、推しの好きなところや魅力等を解説するオリジナル画像のこと。主にTwitter上で多く見られ、写真と文章で”推し”の魅力を紹介しています。布教シートや布教画像とも呼ばれ、イメージとしてはCDショップに置かれるポップに近く、「#ステマシート」や「#布教シート」で検索すると、実際に確認できます。中にはQRコードを貼り、読み込むとYouTubeに誘導するような仕掛けをしているものもあります。
様々なジャンルで作成されていますが、主にアイドルグループのファンが独自に作成し、同じグループを応援するファンがそれを拡散している動きがTwitter上で多く見られます。特に、昨今数多く行われているサバイバルオーディション番組では、視聴者投票によりデビューメンバーが決定するものが多いため、自分が応援している推し(練習生)をデビューに導くために、ファンが熱心に布教している様子が多く見られます。
ステマシートによって、「友達が投稿していたステマシートから新たに推しを見つけてしまい、ハマったりもした。」「コロナ禍で友達と電話をすることが増えたので、友達と推しをお勧めし合うことで共通の話題が増え、話が盛り上がる。」、「コロナ禍になって、友達に勧められて新たにヲタ活を始めた。推しが増えてお金や時間の使い方に困っているけど楽しい。」といった声も挙がっていました。
ステマシートはファンが自主的に作成している場合がほとんどですが、アーティスト公式アカウントから発信されていることもあります。
企業アカウントからの呼びかけ
最近ではファンだけではなく、企業アカウントがファンに向けて布教を呼びかけているケースも多々見られます。
ファンは、指定のハッシュタグを使って、リプライや引用リツイートなどで意見を送ることができ、画像や動画と共に推しをプレゼンすることもできます。また、別のファンの投稿に対していいねやリツイートもできるので、これらの数からもその人気度も伺えます。
GirlsAward
日本最大級のファッション&音楽イベント「GirlsAward」(通称:ガルアワ)では、会場で会いたい推しを募集する投稿をツイート。
週刊誌「AERA」
週刊誌「AERA」では、雑誌の表紙に採用してほしいアーティストや著名人を募集しています。
蜷川実花スタッフ
写真家・映画監督の蜷川実花さんのスタッフが運用するアカウントでは、蜷川さんに撮影してもらいたい被写体について「#蜷川実花」をつけてツイートするようにユーザーを促す投稿がされました。
役者やモデル、アイドルだけでなく、芸人やYouTuberなど幅広いジャンルで活躍する著名人を募集し、投稿された2020年9月5日は「#蜷川実花」がトレンド入りするほど盛り上がりました。
名前が多く挙げられた中から、JO1のメンバー・與那城奨さんの撮影が後に実現しました。
ファンのリアルな意見を採用したことで、ファンからも喜びの声が多く挙がりました。
東京ガールズコレクション(TGC)
ファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」では、イベント後に輝いていた出演者を「#TGCワタシの大優勝」で募集していました。
KCON official
世界最大級のK-Cultureフェスティバル「KCON」では、2021年9月に行われたイベント「KCON:TACT HI 5」で会いたい男性/女性アイドルグループ及びソロアーティストについて、イベント開催の約1ヶ月前からリプライで募集。世界中にファンを持つK-POPのイベントということもあり、使用言語は英語、韓国語、日本語の3ヶ国語に対応していました。
また「KCON:TACT HI 5」で期待しているアーティストや楽しみにしているパフォーマンスに関して「#0915_HI5JP」 をつけてツイートするように促していました。
参考:
コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査
若者に広がるコンテンツファンの発信活動研究(その1)~活発化する「推し」行動の背景と構造を探る~
バケットでは企業のSNS運用を支援中!
株式会社バケットでは、企業のSNS運用代行・活用支援を行っています。今後も加速する企業のSNS活用方法の多様化にあわせ、きめ細かな活用支援サービスを提供してまいります。