近年はさまざまな企業がマーケティング活動の一環としてSNSを活用するのが一般的となりました。企業イメージや売上にも大きな影響をもたらし、多数のユーザーに人気を集めるアカウントも存在します。
本記事では、企業がSNSを活用するメリット・デメリットと共に、TwitterとInstagramで人気の企業アカウント5つずつをご紹介します。
企業がSNSを活用する際のメリット
(1)企業自体のブランディング:企業イメージの可視化、企業・商品ブランドの認知向上、理解促進
SNSでは、Twitterの「リツイート」、Instagramの「シェア」など、ユーザーの投稿がユーザーへと共有され、話題の出来事や最新情報が拡散されていく仕組みになっています。
企業はこれらの仕組みを活かして商品やサービスを宣伝することで、より多くの集客や売上の機会を得ることができます。また、認知度の向上により、企業や商品ブランドの向上、新しいファン(顧客)の獲得にも繋がります。
(2)自社商品・キャンペーン等の告知:商品の認知度、イベントの集客率向上等
Webサイトの制作や運営等などには専門的な技術が必要なため、広告代理店等に仕事を依頼するケースが一般的です。さらに、テレビCMや雑誌といった広告媒体を使ったプロモーションの導入には、それなりのコストと準備が必要になります。
しかしSNSは、誰でも気軽に文章や写真、動画といったコンテンツを発信したり、簡単に情報を検索できたり、といった使いやすさと手軽さがあります。そのため、企業も「店舗スタッフのおすすめ商品を紹介する」、「新商品の感想をリサーチする」といった形での活用が可能です。
そしてSNSは無料あるいは低予算で利用できるサービスも豊富なため、低予算でも商品を宣伝することが可能です。各SNSには無料でライブ配信を行う機能があり、商品紹介などを行ってユーザーとリアルタイムでやりとりを行ったり、「SNS広告」は数百円からスタートできるため、気軽に広告をSNS内に配信したりできます。
初期コストを抑えてプロモーションを実施できるため、まずは手軽なSNSを導入して、予算や人員に応じて段階的にキャンペーンやSNS運用代行、SNS広告、インフルエンサーの起用など、マーケティング施策の選択肢を広げ、展開していくと良いでしょう。
(3)ユーザーとのコミュニケーション:ユーザーとの信頼性構築
SNSでは、情報を発信するだけでなく、投稿のコメント欄などを通してユーザーとコミュニケーションを取ることができます。ユーザーの投稿やコメント、アンケート機能を活用することで、商品に対しての感想や要望を直接目にすることで、今後の商品開発やマーケティングに活かすことも可能です。
(4)問い合わせ・サポート対応:消費者の課題解決、迅速な対応
(3)の内容に関連して、インターネットやSNSが普及したことで、従来は製品やサービスに関する質問やクレーム等などの問い合わせは、企業のコーポレートサイトを通すという流れが一般的でしたが、SNSが普及した現在では、コーポレートサイトはもちろん、企業SNSへの「コメント」や「DM(ダイレクトメッセージ)」への問い合わせも増加しています。
そのため、SNSでの「自社ブランド検索(エゴサーチ)」、「ブランド話題監視(ソーシャルリスニング)」を行ったり、S「お客様相談窓口」アカウントを運用している企業もあり、お客様相談、顧客のクレーム対応、製品やサービス利用へのお礼など、SNS上で積極的なコミュニケーションも行われています。
SNSは、ブランディングや宣伝・販促のためのツールとしてはもちろん、製品やサービスに関する質問や感想をはじめ、企業の経営に関する質問や意見も寄せられ、消費者の意見を直接得られる場所でもあります。
企業がSNSを活用する際のデメリット
(1)炎上へのリスクに備える
Web上での発言などに、ユーザーから批判や疑問の声が殺到し広く拡散されるトラブルは「炎上」と呼ばれます。「不適切な言い回しにより、発言が誤解を生む」、「商品に不備があり、写真が拡散される」など、きっかけはさまざまですが、SNS上で即座に情報が拡散され、企業のブランドイメージを一瞬にして損なう恐れがあります。
対策としては、「正しい情報を精査して発信する」、「発信する内容を事前に確認し、発信後も定期的にチェックする」、「企業内でSNS運用のマニュアル共有し、炎上した際の対策を明確にしておく」といったことが挙げられます。
(2)効果を得られるまでに時間がかかることもある
SNSは特性上、フォロワーを増やすことで投稿がより多くのユーザーに拡散される仕組みになっています。SNS運用を開始した当初は、1からフォロワーを増やしていくため、情報の拡散が難しいのが実情です。SNS導入前からの企業や商品の知名度が高い場合は、すでに「商品名の#(ハッシュタグ)」などによる投稿も拡散され、SNS上でのユーザーからの認知度が高いというケースもあります。しかし、これから新たに企業や商品・サービスを打ち出していく場合は、効果が出るまでに時間がかかってしまうこともあります。
企業や商品の特性によって取るべき対策は様々ですが、「ユーザーにとって有益で質の良い投稿でファン(フォロワー)を増やしていくこと」、「投稿頻度を維持し継続すること」が求められます。一朝一夕で期待する効果を得るためにはそれ相応の準備や戦略が必要になるという点を念頭に入れておくことも重要です。
人気の企業SNSアカウント〜Twitter5選
(1)SHARP シャープ株式会社
自社商品の宣伝だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションやネットで話題になった出来事をツイートに絡めるなど、企業アカウントの中でも独自の存在感を放ちます。過去には「中の人」をイメージじて作られたLINEスタンプや漫画が製作されました。
(2)NHK広報局
番宣や交通・天気情報など、ツイートの内容は多岐にわたります。ユーモアのある番宣ツイートやゆるゆるとした時報ツイート、中の人の個人的な雑感など、NHKの堅いイメージを一変させるキャラクターが話題となり、個性を前面に押し出した企業アカウントが増えるきっかけを作りました。
(3)キングジム
自社製品の宣伝ツイートのほか、フォロワーや他企業のアカウントとの交流も盛んに行っています。担当者の人はTwitterによるPR活動が評価され、2014年に社長賞を受賞しました。
(4)株式会社タニタ
新商品や健康情報を始め、担当者のプライベートや毎日紹介している「今日聴きたい曲」など、「中の人」の個性を前面に押し出したツイートが人気を集めています。
(5)ローソン
ローソンのアルバイト大学生「あきこちゃん」が、新商品やおすすめ商品、キャンペーン告知を発信しています。企業のSNS運用をキャラクターが行うスタイルの先駆け的存在で、以降キャラクターを活用したSNS運用が広まりました。
人気の企業SNSアカウント〜Instagram5選
(1)Tasty Japan
https://www.instagram.com/tastyjapan/
料理アカウントの中でも、圧倒的なフォロワー数を誇る企業アカウントです。「見て幸せ、作って楽しい」をコンセプトに、思わず食べたくなる魅力的な料理動画を更新しています。
(2)Nissan
https://www.instagram.com/nissan/
車種を問わず、車の魅力を前面に押し出した写真や、ドライブ動画など、ユーザーに飽きさせないための工夫が施された画像や動画を発信しています。
(3)pokemon
https://www.instagram.com/pokemon/
新商品や限定グッズの宣伝のほか、1体のポケモンにスポットを当てて、過去のアニメやゲーム作品から魅力が伝わる写真や動画を定期的に発信しています。子どもから親まで幅広い層が楽しめる企業アカウントです。
(4)スターバックス公式
https://www.instagram.com/starbucks_j/
季節限定のフラペチーノやドリンクなどの商品を定期的に発信しています。写真の背景も季節に合わせた演出がされており、おしゃれ感のあるアカウントです。ストーリーズでは、商品ランキングや店舗スタッフの紹介動画も公開しています。
(5)東京ディズニーリゾート
https://www.instagram.com/tokyodisneyresort_official/
さまざまな角度から撮影されたアトラクションやお馴染みの人気キャラクターなど、ディズニーリゾートに行った気分が味わえる写真を頻繁に更新しています。
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