日本テレビ「君と世界が終わる日に」ってどんなドラマ?
日本テレビ系列で20201年1月17日 22:30より放送スタートの竹内涼真さん主演ドラマ「君と世界が終わる日に」は、”#噛まれたら終わり”のゾンビサバイバル‼。
日本テレビ×Hulu 共同製作ドラマ「君と世界が終わる日に」公式サイト。竹内涼真 主演。ゾンビサバイバル×ラブストーリー×ミステリー 3つの軸が絡み合う、“極限の人間ドラマ”!
日本テレビとHuluの共同制作で、
Season1(全10話):日本テレビ系日曜ドラマで1月17日放送スタート
Season2(全6話):Huluオリジナルで3月配信スタート
とチャネルを横断して楽しむタイプのドラマ構成となっています。
日テレにとってはHuluの潤沢な?制作費がドラマ制作で使え、Huluにとっては地上波でのドラマ視聴者を獲得できる取り組みになっています。
チャネルを横断させるために、SNSがどう活用されているのか見てみたいと思います。
展開する公式SNSは?
「君と世界が終わる日に」の公式アカウントは、Twitter、Instagram、LINEでした。
公式ハッシュタグは 「 #きみセカ 」「 #君と世界が終わる日に 」
まず、ドラマの公式ハッシュタグを見てみましょう。
ドラマの公式ハッシュタグは、「 #きみセカ 」に設定。公式ハッシュタグは視聴者が発信するときにつけてもらいたい重要なハッシュタグですので、ドラマ自身が早い段階で公式のハッシュタグを告知し、浸透させていくことが重要です。
「#君と世界が終わる日に」も並列で使用していますが、若干長いので、今回は「 #きみセカ 」という略語を選択したようです。
略語は「#君セカ」「#君せか」「#きみせか」「#キミセカ」など、表記揺れが起こりやすいので、できるだけ早くドラマ自身が早い段階で公式のハッシュタグを告知し、浸透させていくことが重要です。
Twitter、Istagramは、ハッシュタグの推奨表示がありますので、「#君と世界が終わる日に」を入れようとしたときに「 #きみセカ 」が選択されるのが望ましいので、「#君」を入力した時に表示される「#君セカ」というハッシュタグがいいのかなと思ったりもしますが、テレビの浸透力の前では押し切れるという判断なのでしょう。
Twitterで「#きみ」と入力 ⇒「#きみセカ」が1番に表示
気になるハッシュタグ「 #噛まれたら終わり 」
また、「 #噛まれたら終わり 」というハッシュタグも同時展開しています。
ドラマの世界観を伝えるキャッチコピーのような役割を、この「 #噛まれたら終わり 」というハッシュタグに持たせているのか、それとも、このハッシュタグを使って、別のコミュニケーションを仕掛けようとしているのか。
今後の展開に期待したいですね。
Twitterの活用ストーリー
この3つのSNSをどうやって連動させて、どういった体験を提供しようとしているのか、一つ一つ見ていきたいと思います。
まずTwitterから。
Twitterは、大きく分けて
- 情報出しフェーズ(2020年10月~11月)
- 番宣フェーズ(2020年12月)
- 放送直前フェーズ(2021年1月の放送まで)
の3つのフェーズに分けて展開しているようです。
1. 情報出しフェーズ(2020年10月~11月)のTwitte活用
まず、情報出しフェーズ。ここでは、ドラマの存在や内容を誰も知りません。このアカウントでは、まずは、キャストと連携し、キャストファンを取り込みながら、徐々に情報を浸透させていく方法を取っています。
具体的には、以下の3つの情報を軸に展開しています。
① 情報出し
② 世界観
③ オフショット
「① 情報出し」は長期スパンで段階的に
このフェーズでの公式アカウントの役割は、1次情報を迅速、正確に出す。ということになります。
10月9日の情報解禁から放送までは3か月もの期間がありますので、段階的に情報を出していきながら認知の浸透を図っていきます。テレビの広報戦略を同様です。
できるだけ、キャストのファンをこのアカウントに取り込みたいので、一度にすべての情報を提供するのではなく、各キャストにフォーカスがあたるように、情報を分割しが各キャストのファンに情報が届きやすくしています。
また、このドラマは、キャストが非常に協力的で、ドラマ公式アカウントの情報出しをキャストがコメント付きでリツイートし、それをドラマ公式アカウントがリツイートする、という連携が計画されているように見えます。
こうすることで、キャストのファンをドラマに取り込んでいきます。
「② 世界観」は徐々に浸透を図り期待値を高める
このタイミングでは、まだキャストのファンがドラマの内容を受け入れる準備が整っていないため、「こういった感じのドラマなんです」程度の軽いメッセージを重ねながら、ドラマの世界観の説明を行っていくところから、徐々に、期待をあおっていく形をとっています。
「③ オフショット」はキャストと世界観とつなぐコンテンツ
キャスト中心に集めてきたアカウントのフォロワーを、ドラマ「君と世界が終わる日に」を楽しみに待ってもらうようになる必要があります。
キャストのファンに楽しんでもらうコンテンツであり、なおかつドラマの世界観を伝える中間のコンテンツとしてオフショットの展開がされています。
こうして、キャストのファンを中心に、公式番組アカウントのコアフォロワーとして入ってきてもらいながら、この後、SNSで展開する準備が整ってきました。
ここまでが、情報出しフェーズ(2020年10月~11月)で設計されていたものだと思います。
次から、テレビの伝搬力を使った番宣フェーズに入ります。
2. 番宣フェーズ(2020年12月)のTwitte活用
番宣フェーズでは、テレビをはじめ、従来のドラマのプロモーションが本格化します。
この時点では、SNS単独の施策も展開しながら、情報出しフェーズで獲得したフォロワーと一緒に、テレビ等のプロモーションの効果を最大化するフェーズです。
「君と世界が終わる日に」アカウントの場合は、「番宣情報を既存フォロワー向けに知らせる」という施策を中心に展開していますが、ドラマの認知度が急激に高まるこのタイミングで、「今のフォロワーより関心度の低いフォロワーを獲得する」という施策で、アカウントのボリュームアップを狙う、という方法もあります。
また、プロモーションでは、話題性のあるコンテンツをもとに、
キャスト公式アカウント ⇒ 番組公式アカウント ⇒ 外部メディア と展開し、お作法に則った丁寧な設計がされていることがわかります。
「君と世界が終わる日に」のTwitterアカウントで番組と関連した展開
3. 放送直前フェーズ(2021年1月の放送まで)のTwitte活用
いよいよ放送直前フェーズです。
テレビの場合、「直前にどれだけ情報接触してもらうか」が視聴に大きくかかわってきますので、このフェーズの施策が重要です。
「君と世界が終わる日に」のTwitterアカウントでは、「カンバセーショナルカードを使った、インスタントリプライ」という施策を展開しています。
「カンバセーショナルカードを使った、インスタントリプライ」について説明します。
まず、Twitterがプロモーションする企業のために提供している「カンバセーショナルカード」という機能があります。
企業のツイートに、投稿に1~4個のボタンをつけることができ、ユーザーがそのボタンをクリックすると、企業側が指定したハッシュタグの入ったツイート文章を埋め込んだ形で、ツイートできる機能です。
詳しく知りたい方は、Twitterの公式サイトの説明をご覧ください。
カンバセーショナル広告とは、ユーザーの注目を集める画像や動画に独自のハッシュタグ入りアクション誘導ボタンを付けたプロモツイートのことです。広告を通じて御社のメッセージを見たユーザーがそれをフォロワーに拡散する効果を期待でき、御社のメッセージを届ける対象を広げることができます。
カンバセーショナル広告はお客様の反応を生み出し、御社のメッセージの共有を促す効果的な広告形式です。
ttps://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/conversational-ad-formats.html
この機能を使って、対象の4つのハッシュタグでツイートしてくれた方に対して、4つのハッシュタグそれぞれにあわせた限定動画をリプライでその人向けに送る、というキャンペーンです。
「限定動画をリプライでその人向けに送る」というのは、Twitterが持っている機能だけではできないので、専用の外部ツールを利用する必要があります。
この施策で実現していること
ユーザーは、「このドラマのイチオシの見どころはどこか?」というクイズに答えるために、ハッシュタグをつけてツイートします。
ツイートしたハッシュタグに応じて、違った動画が届くので、他の動画が見たい場合は、他のハッシュタグをつけてツイートすれば見られるという形になっています。
では、この施策はどういった効果があるのでしょうか?
それは「これまでつながってきたユーザーに番組の情報を発信してもらい、ドラマの情報を広めてもらうこと」にあります。 キャストのファン、番組に期待している人とつながりながら、番組直前のこのタイミングでその人たちに番組のことを発信してもらおう、という狙いで展開されています。
まとめ:ゴールから逆算したコミュニケーション設計が大切
テレビドラマの放送前は、放送開始というスケジュール上のゴールに向けて、「どういった人とつながっるか」、「どういったコミュニケーションを生んでいくのか」、という設計が重要です。
そこには、番組のプロモーション担当者の番組に対する想いのようなものも垣間見えます。
今回の「君と世界が終わる日に」では、放送直前にユーザーの声をTwitter上にあふれさせ、ドラマを見てもらう、というゴールに向けて組み立てられていました。
皆さんのSNS施策でも、ゴールから逆算したコミュニケーションについて、一度考えてみるのもいいかもしれません。